
雇用保険に加入しているスタッフが退職した場合、会社では雇用保険の資格喪失手続きを行い、離職票、マイナポータル、雇用保険、電子申請、社会保険労務士手続き完了時に発行される「離職票」を退職者に交付する必要があります。離職票は、退職者がその後行う基本手当(「失業手当」「失業保険」という言葉のほうがなじみ深いかもですね)の支給申請時に必要となるため、雇用保険の資格喪失手続き及び離職票の交付は、早急な対応が求められます。離職票の交付方法は①郵送②メール等でPDFデータを送付(電子申請した場合)でしたが、2025年1月20日より、退職者本人がマイナポータルで離職票を直接受け取ることが可能になりました。
【第2回】「離職票」マイナポータル受取サービスのメリットデメリット
【第3回】「離職票」マイナポータル受取サービスの気になるあれこれ(Q&A)
と3つの記事に分けて、新たにはじまったサービスについてご案内していきます。
今回は、第2回
「離職票」マイナポータル受取サービスのメリットデメリットについてご案内します。
「離職票」マイナポータル受取サービスのメリット
退職者は離職票をスムーズに受け取ることが可能に 離職票は基本手当の支給申請をする際に必要となります。そのため退職者にとって、離職票は少しでも早く手元に届いてほしいものではないでしょうか。 しかし、離職票が退職者の手に届くまでは ①会社が資格喪失手続きをする ②行政側で申請内容を確認し審査完了後、会社宛てに会社控え・離職票等の一式を交付 ③会社から退職者に離職票等を送付 というステップを踏む必要があり、交付までの時間が退職者にとっては決して短い時間ではなく「待っている」感覚になる方が多いのではないでしょうか。 今後、本サービスを利用することで、会社から離職票が届くのを待つことがなくなり、待ち時間の短縮ができます。 また、マイナポータルで受け取った離職票は印刷などする必要がなく、画面提示でその後の手続きができます。送付された離職票は紛失してしまう可能性もありますが、そういった心配も不要です。

会社は交付にかかるコスト削減
会社側が退職者に離職票を交付する方法として、①郵送②PDF交付(電子申請の場合) が考えられ、どちらの場合も対応するための人的コスト・郵送の場合には切手などのコストもかかります。本サービスを利用することで、会社側が退職者に離職送付をする必要がなくなりコスト削減できます。
「離職票」マイナポータル受取サービスのデメリット
サービスが利用できるのは電子申請した場合のみ
退職者が離職票の受け取りをマイナポータル希望したとしても、会社側が資格喪失手続きを「紙」で行った場合には本サービスは利用できません。離職票も今まで通り会社に送付され、会社から退職者に送付する流れとなります。
「離職区分コード」を会社側で確認することができない
本サービスを利用すると、離職票が退職者本人に交付されることから、退職者に交付される離職票は会社には交付されません。そのため、離職票に記載されている「離職区分コード」を会社側で確認することができなくなります。 雇用保険の一部助成金では支給要件のひとつとして、「特定受給資格者となる離職理由のうち離職区分1Aまたは3Aとされる離職理由」による退職者が一定数以上存在しないことが記載されているため、助成金を検討している会社の場合で、離職区分を事前に知っておきたい把握しておきたい場合にはデメリットといえるかもしれません。
以上、「離職票」マイナポータル受取サービスのメリットデメリットについてのご案内でした。電子申請を導入していない会社の場合には、サービス利用の選択の余地がないため、これを機会に電子申請の導入を検討してみるのもよいかもしれませんね。
次回は、「離職票」マイナポータル受取サービスの気になるあれこれ(Q&A)について よくある質問をご案内します。
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